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社会指標形式・行動のバリエーション

【前半(1~8):言語学の視点から】本ゼミの前半では、言語内変異の議論をさらに進めます。まず、1960年代アメリカの社会言語学者William Labovが調査した地域方言における社会階層と発音変異の関係を紹介します。変異(バリエーション)分析理論の立場から、Labovはマーサズ・ヴィニヤード島での(島民の音韻的特徴である)2重母音の中舌化、さらに引き続いてニューヨーク市で話される英語における言語変数/r/の発音調査を行ないました。Labovのマーサズ・ヴィニヤード島とニューヨーク市における変異研究は社会科学としての社会言語学の土台を築いたことで非常に重要な意味を持っています。次に、同時期(1960年代)イギリスの社会言語学者Basil Bernsteinが調査した言語変異と社会階層の関係を紹介します。Bernsteinは音韻的特徴にとどまらず、イギリス社会での2つの異なる言語コード(精密コード・限定コード)など、社会階級差に起因すると考えられる言語差を、包括的なレベルでの研究を行ないました。Bernsteinの調査は、イギリスばかりでなくアメリカでの社会階級、家庭での言語使用、そして学校教育の関係を探る研究の方向性に多大な影響を与えました。 【後半(1~13):批判的(クリティカル)言語学の視点から】後半では、男女による言語差(言語とジェンダー)に関する議論を時系列展開で説明します。まず、1970年代以来今日に至るまで『言葉と性差』の分野で中心的役割を果たしてきたRobin Tolmach Lakoff(1973, 1990, 2000)の主張に注目します。Lakoffは男性優位・上位の社会構造の結果として捉える「支配モデル(dominance model)」言い換えれば「言葉は権力具現装置であり、女言葉は弱者の言語だ」という視点から言語使用を捉えています。すなわち、クリティカル言語学(critical linguistics)の立場から「女性特有の言葉遣いや語彙は、女性の相対的に低い社会的地位の表出だ」という主張です。1970年代には支配モデルが主流でしたが、1980年代に入るとDaniel Maltz and Ruth Borker(1982)らが『文化差モデル(‘two cultures’ modelもしくはdual-culture model)』を提示し「男女はそれぞれ異なった言語文化を所有しており、それゆえ摩擦や誤解が生じる」と主張しました。Maltz & Borkerの提唱する「言語と性差は、異文化間コミュニケーションに起因している」という解釈では、言語使用における男女差が「言語発達における社会化(socialization)、『自文化』化(もしくは文化化:enculturation)における男女の相違の結果である」と捉えています。1990年代に入り、Deborah Tannen(1990)男女の言語的様相の差異をコミュニケーション・パターンの違いに焦点を当てて議論しています。本ゼミでも時間的変遷を中心に『言語と性差』の議論と、そこに内在する問題を捉えますが、それだけにとどまらず、さらに男性向け・女性向け広告文などの具体例に言及します。最後に、翻訳さらには地域方言・社会方言としての役割語に関して考察しますが、役割語に認められる男女差、そして社会階層差を考えることで『社会指標形式・行動のバリエーション—社会言語学の視点から』の全体議論を締めくくります。
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1. 社会指標形式・行動のバリエーション—社会言語学の視点から 1

2013-05-22 17:12:31 ID:172

くろしお出版による南雅彦先生(サンフランシスコ州立大学教授・国立国語研究所客員教授)の講義配信、「社会指標形式・行動のバリエーション—社会言語学の視点から」第1回目の講義です。

【本講義の内容】
・イントロダクション
・「『すごくおいしい』を各地の方言で言うと?」
[まず最初に、William Labovの方言調査とBasil Bernsteinのコードの概念に言及し、手短かに説明します。次に、日本語教科書『上級へのとびら』にも出てくる『全国方言カルタ』を使いながら「すごくおいしい」を各地の方言でどう言うのか、その言い方を学びます。]

【キーワード】
新方言(新たな方言語形 例:新潟弁の「なまら」からきた北海道の「なんまら」「とても」を表す石川県の「たっだ」など)

【参考文献】
井上史雄(1985)『新しい日本語―《新方言》の分布と変化―』 明治書院
井上史雄(1989)『言葉づかい新風景(敬語と方言)』 秋山書店
岡まゆみ(構成・執筆)筒井通雄(監修)近藤純子ほか(2009) 『上級へのとびら』 p.242 くろしお出版

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2. 社会指標形式・行動のバリエーション—社会言語学の視点から 2

2013-05-22 17:13:55 ID:173

くろしお出版による南雅彦先生(サンフランシスコ州立大学教授・国立国語研究所客員教授)の講義配信、「社会指標形式・行動のバリエーション—社会言語学の視点から」第2回目の講義です。

【本講義の内容】
・「社会言語学調査」
[本講義では、横断調査・縦断調査、質問調査の手法など、さまざまなリサーチ・デザインを考えます。大阪語調査など、調査の実例を何例か紹介します。]

【キーワード】
リサーチ・デザイン(横断調査 cross-sectional studies vs. 縦断調査 longitudinal studies),質問調査(アンケート調査,面接調査),観察調査(自然観察法/フィールド・ワーク),大阪語調査[例:ダ行・ザ行・ラ行の発音の区別がつきにくい時代の名残),摂津方言・河内方言(周圏分布的特徴),泉南諸方言(例:[se]の口蓋音[∫e](汗アシェ/背中シェナカ)],新言文一致体,(翻訳における)役割語

【参考文献】
真田信治・岸江信介・中井精一・鳥谷善史(2009)『大阪のことば地図』 和泉書院

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3. 社会指標形式・行動のバリエーション—社会言語学の視点から 3

2013-05-22 17:15:17 ID:174

くろしお出版による南雅彦先生(サンフランシスコ州立大学教授・国立国語研究所客員教授)の講義配信、「社会指標形式・行動のバリエーション—社会言語学の視点から」第3回目の講義です。

【本講義の内容】
・「アコモデーション理論」
・「時空間変異」
[本講義では、まず最初に「対話相手に合わせてものを言う(言語的収束)/言わない(言語的拡散)」の理論的概念であるspeech accommodation theory:スピーチ・アコモデーション(発話適応)理論を紹介します。次に、時空間変異に関しての概念を解説します。]

【キーワード】
アコモデーション理論(空間的広がり,場面的広がり),言語的収束・言語的拡散,心理的収束・心理的拡散,child-directed speech(CDS:motherese:ベビートーク),teacher talk,foreigner talk(フォリナートーク),「マクドナルド」の関西における言い方「マクド」,同音衝突,地域言語 vs. 社会言語,「古い村と新しい村」(方言孤立変遷の例),上層階級 vs. 下層階級

【参考文献】
Giles, H., Coupland, N., & Coupland, J. (1991). Accommodation theory: Communication, context, and consepuence. In H. Giles, J. Coupland, & N, Coupland (Eds.), Contexts of accommodation: Developments in applied sociolinguistics. Cambridge. UK: Cambridge University Press.

Giles, H., & Powesland, P. F. (1975). A social psychological model of speech diversity. In H. Giles & P. F. Powesland (Eds.), Speech style and social evaluation (European monographs in social prychology)(pp.154-170). New York: Harcourt Brace.

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4. 社会指標形式・行動のバリエーション—社会言語学の視点から 4

2013-05-22 17:16:29 ID:175

くろしお出版による南雅彦先生(サンフランシスコ州立大学教授・国立国語研究所客員教授)の講義配信、「社会指標形式・行動のバリエーション—社会言語学の視点から」第4回目の講義です。

【本講義の内容】
・「地域方言から社会方言(階級差)へ」
・「マーサズ・ヴィ二ヤード島」
[本講義では、マーサズ・ヴィニヤード島で社会言語学者William Labovが行なった(島民の音韻的特徴である)「2重母音の中舌化」調査を詳細に説明します。]

【キーワード】
William Labov,社会階級と発音変異の関係,Basil Bernstein,言語変異と社会階層の関係[精密・洗練コード(elaborated code)vs. 限定コード(restricted code)],方言の変遷,2重母音,中舌化,マーサズ・ヴィニヤード島(島の地域:チルマーク,ゲイヘッド),心理的拡散 vs. 言語的拡散

【参考文献】
Labov, W. (1963). The social motivation of a sound change. Word, 19, 273-309.

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5. 社会指標形式・行動のバリエーション—社会言語学の視点から 5

2013-05-22 17:17:39 ID:176

くろしお出版による南雅彦先生(サンフランシスコ州立大学教授・国立国語研究所客員教授)の講義配信、「社会指標形式・行動のバリエーション—社会言語学の視点から」第5回目の講義です。

【本講義の内容】
・「社会階級的方言」
[本講義では、Labovが行なった(ニューヨーク市で話される英語における)言語変数/r/の調査を詳細に説明します。]

【キーワード】
ニューヨーク英語(ニューヨーク市デパートにおける母音の直後の/r/の発音調査),過剰修正(hyper-correction 例:/r/が存在しない語彙に無意識に/r/を過剰に補う),日本語学習者が漢字の読み方を書く際の「う」の取り扱い(長母音化 例:辞書 じしょう 購入 こ×にゅう)

【参考文献】
Labov, W. (1966). The social stratification of English in New York City. Washington, DC: Center for Applied Linguistics.

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6. 社会指標形式・行動のバリエーション—社会言語学の視点から 6

2013-05-22 17:18:44 ID:177

くろしお出版による南雅彦先生(サンフランシスコ州立大学教授・国立国語研究所客員教授)の講義配信、「社会指標形式・行動のバリエーション—社会言語学の視点から」第6回目の講義です。

【本講義の内容】
・「実時間調査」
・「社会階級的方言」
・「語り(バイリンガル)」
[本講義では、Labovのマーサズ・ヴィニヤード島、ニューヨーク市での発音調査の40年後、24年後の継続調査に関して説明をします。次に、イギリスの社会言語学者Basil Bernsteinが行なった言語変異と社会階層の関係を説明します。]

【キーワード】
継続調査(Labovの調査から40年経過したマーサズ・ヴィニヤード島での再調査・24年経過したニューヨーク市内のデパートでの再調査),外部指示的用法(労働者階級に特徴的) vs. 内部指示的用法(中流階級に特徴的),精密コード vs. 限定コード,マッチ・ミスマッチ仮説(家庭での言葉遣いと学校で期待される言語使用の異なり)と学校教育に与える影響

【参考文献】
Pope, J., Meyerhoff, M., & Ladd, R. D. (2007). Forty years of change on Martha's Vineyard. Language, 83(3), 615-627.

Fowler, Joy (1986). The social stratification of r in New York City department stores, 24 years after Labov. New York University.

Mather, Patrick-Andre (2009). The social stratification of /r/ in New York City: Labov's Department store study revisited.

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7. 社会指標形式・行動のバリエーション—社会言語学の視点から 7

2013-05-22 17:19:44 ID:178

くろしお出版による南雅彦先生(サンフランシスコ州立大学教授・国立国語研究所客員教授)の講義配信、「社会指標形式・行動のバリエーション—社会言語学の視点から」第7回目の講義です。

【本講義の内容】
・「照応表現」
・「書き言葉」
[指示詞が内部指示的用法に基づいているのか、外部指示的用法に基づいているのかは、精密コードと限定コードを見分ける特徴であると言われます。さらに内部指示的用法は、すでに発せられた言語内容の一部を指し示す前方照応と、これから発する言語内容の一部を指し示す後方照応に分類できます。本講義では、こうした概念と様相を日本語の例を用いて説明します。]

【キーワード】
内部指示的法要(前方照応・後方照応)vs. 外部指示的照応

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8. 社会指標形式・行動のバリエーション―批判的(クリティカル)言語学の視点から 1

2013-06-19 16:08:24 ID:179

くろしお出版による南雅彦先生(サンフランシスコ州立大学教授・国立国語研究所客員教授)の講義配信、「社会指標形式・行動のバリエーション―批判的(クリティカル)言語学の視点から」第1回目の講義です。

【本講義の内容】
・『ビジネスのための日本語』
・「日本語のスピーチスタイル」(『上級へのとびら』)
・「代名詞:1人称・自称と2人称・対称」に認められる性差
[本講義は、C15男女による言語差(言語とジェンダー)の導入です。]

【キーワード】
批判的談話分析(critical discourse analysis),男女の話し方の違い,女性/男性らしい話し方とは(例:終助詞「~よ」「~わ」と女性らしさ),1人称と2人称;フォーマル vs. インフォーマル,1人称「わし」について

【参考文献】
Lakoff, R. T. (1990) Talking power. New York: Basic Books.
Lakoff, R. T. (2000) The language war. Berkeley, CA: University of California Press.
米田隆介・藤井和子・重野美枝・池田広子(2006)『ビジネスのための日本語』 pp. 24, 74, 128, 130 スリーエーネットワーク
岡まゆみ(構成・執筆)筒井通雄(監修)近藤純子ほか(2009)『上級へのとびら』 p. 242 くろしお出版

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9. 社会指標形式・行動のバリエーション―批判的(クリティカル)言語学の視点から 2

2013-06-19 16:10:04 ID:180

くろしお出版による南雅彦先生(サンフランシスコ州立大学教授・国立国語研究所客員教授)の講義配信、「社会指標形式・行動のバリエーション―批判的(クリティカル)言語学の視点から」第2回目の講義です。

【本講義の内容】
・「ディスカッション」
・言語使用における性差を分析することで性差別にメスを入れていこうとする「クリティカル・ディスコース分析」
[本講義では、まず最初に男女による言語差(言語とジェンダー)に関してディスカッションを行ない、その後、クリティカル・ディスコース分析に入っていきます。]

【キーワード】
男性言葉・女性言葉に特有な形,男女が区別されている職業名,女性が男性言葉を使うことについて,女性の社会的立場と言葉,批判的談話分析,女性語の分析と性差別,役割固定・分業・役割期待(例:「男っぽい」vs.「男泣き」, 「雄々しい・男々しい」vs.「女々しい」など),男性上位の社会の表出としての語彙(例:「主人」「家内」)

【参考文献】
佐々木瑞枝(2000)『女と男の日本語辞典 上巻』東京堂出版

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10. 社会指標形式・行動のバリエーション―批判的(クリティカル)言語学の視点から 3

2013-06-19 16:11:26 ID:181

くろしお出版による南雅彦先生(サンフランシスコ州立大学教授・国立国語研究所客員教授)の講義配信、「社会指標形式・行動のバリエーション―批判的(クリティカル)言語学の視点から」第3回目の講義です。

【本講義の内容】
・「言語とジェンダー」
[本講義では、1970年代の英語における3人称代名詞の使用に認められる性差とその解釈を紹介します。英語、引き続いて日本語の語彙に焦点を当て、性差を検討します。]

【キーワード】
3人称の代名詞,mixed sex,sex unknown,単数形“he”の使用と女性が抱く疎外感,音韻レベルの性差,語彙・文法レベルの性差(例:色彩に関する語彙"beige, ecru, aquamarine, lavender," 強意語"so, such," 不変化詞"oh, dear, shit")・談話レベルの性差,女性言葉に認められるネガティブ・ポライトネスの様相(例:ヘッジ"you know," 定型表現"Won't you please 〜 ?",曖昧表現"kind of," 断定回避"I guess,"回避表現,名詞化)

【参考文献】
Bodine, A. (1975). Androcentrism in prescriptive grammar: Singular ‘they’, sex-indefinite ‘he’ and ‘he or she.’ Language in Society, 4, 129-146.
Fishman, P. M. (1978). Interaction: The work women do. Social Problems, 25(4), 397-406.
MacKay, D. G. (1980). On the goals, principles, and procedures for prescriptive grammar: Singular they. Language in Society, 9, 349-367.
Martyna, W. (1978). What does ‘he’ mean?: Use of the generic masculine. Journal of Communication, 28, 131-138.
Zimmerman, D. H., & West, C. (1975). Sex roles, interruptions and silences in conversation. In B. Thorne & N. Henley (Eds.), Language and sex: Difference and dominance. Rowley, MA: Newbury House.

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11. 社会指標形式・行動のバリエーション―批判的(クリティカル)言語学の視点から 4

2013-06-19 16:12:26 ID:182

くろしお出版による南雅彦先生(サンフランシスコ州立大学教授・国立国語研究所客員教授)の講義配信、「社会指標形式・行動のバリエーション―批判的(クリティカル)言語学の視点から」第4回目の講義です。

【本講義の内容】
・「男性と女性の言語スタイルの比較」
・「男性語と女性語の尺度(スケール)」
・「支配モデル Lakoff, R.(1973)」
[本講義では、1970年代から現在に至るまでRobin Tolmach Lakoffが延々と続けている議論、男性優位・上位の社会構造の結果として捉える『支配モデル(dominance model)』を紹介します。Lakoffは、「言葉は権力具現装置であり、女言葉は弱者の言語だ」という立場を取っています。すなわち、クリティカル言語学(critical linguistics)の立場から「女性特有の言葉づかいや語彙は女性の相対的に低い社会的地位に関わりがある」という主張です。]

【キーワード】
性差,攻撃・競争的 vs. 協力的, 自立している自己(西洋的)vs. 相互依存的な自己(東洋的),分析的 vs. 情緒的(共同体意識), 男性的スケール vs. 女性的スケール,権力具現装置としての言語使用(dominance framework),語彙レベルにおける性差(例:男女使用可,評価的形容詞,女性限定),文法レベルにおける性差(例:付加疑問文,上昇調イントネーション),ポライトネスレベルにおける性差(依頼文におけるポジティブ・ポライトネス vs. ネガティブ・ポライトネス),女性語の特徴-発音を不確かにする・指小辞の多用・やわらかな語・情緒的側面・強意表現の多用・ヘッジ・概算的形容詞・上昇調イントネーション・付加疑問・丁寧な表現・強調的コミュニケーション・スタイル・直接引用の多用・言葉以外のコミュニケーション・文法的で口語表現を避ける女性の言語使用

【参考文献】
Lakoff, R. (1973) Language and women's place. Language in Society, 2, 45-80.

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12. 社会指標形式・行動のバリエーション―批判的(クリティカル)言語学の視点から 5

2013-06-19 16:13:31 ID:183

くろしお出版による南雅彦先生(サンフランシスコ州立大学教授・国立国語研究所客員教授)の講義配信、「社会指標形式・行動のバリエーション―批判的(クリティカル)言語学の視点から」第5回目の講義です。

【本講義の内容】
・「支配モデル vs. 文化差モデル」
・「読者に語りかける声」
・男性向け/女性向け「広告文」
[1970年代に主流であった支配モデルに対して、1980年代に入るとDaniel Maltz and Ruth Borker(1982)らが『文化差モデル(‘two cultures’ modelもしくはdual-culture model)』を提示し、「男女はそれぞれ異なった言語文化を所有しており、それゆえ摩擦や誤解が生じる」と主張しました。Maltz & Borkerの「言語と性差は、異文化間コミュニケーションに起因している」という解釈では、「言語使用における男女差が言語発達における社会化(socialization)、『自文化』化(もしくは文化化:enculturation)における男女の相違の結果である」と捉えることが可能でしょう。1990年代に入り、Deborah Tannen(1990)も、こうした男女の言語的様相の差異をコミュニケーション・パターンの違いに焦点を当てて議論しています。]

【キーワード】
支配モデル-社会での男女の権力・地位の違いに言葉の違いの原因を求める,文化差モデル-異文化間コミュニケーションとしての男女間コミュニケーション,エンコーディング(encoder = 送り手)vs. ディコーディング(decoder = 受取手),広告文における共同行為(ingroup membership ポジティブ・ポライトネス)vs. 名詞化(nominalization ネガティブ・ポライトネス)

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13. 社会指標形式・行動のバリエーション―批判的(クリティカル)言語学の視点から 6

2013-06-19 16:14:34 ID:184

くろしお出版による南雅彦先生(サンフランシスコ州立大学教授・国立国語研究所客員教授)の講義配信、「社会指標形式・行動のバリエーション―批判的(クリティカル)言語学の視点から」第6回目の講義です。

【本講義の内容】
・「役割語」概論
・「有標化」
・「翻訳における役割語」
・「役割語(地域方言 社会方言)」
[本講義では、翻訳さらには地域方言・社会方言としての役割語に関して考察します。役割語に認められる男女差、そしてそればかりではなく社会階層差を考えることで、『社会指標形式・行動のバリエーション—社会言語学の視点から』の議論を締めくくります。]

【キーワード】
社会方言,ステレオタイプ,ピジン化された日本語(例:「アルヨことば」),有標(= marked 職業のプロトタイプからの乖離-例:「女弁護士」「女刑事」など),翻訳に見られる仮想現実,「男らしさ」=「強さ」という記号の付加 vs. 「女らしさ」=「優しさ・和らぎ」という記号の付加,女性役割語における「弱さ」vs.「自信・誇り・余裕」,男性役割語における「攻撃性」

【参考文献】
金水敏(2003)『ヴァーチャル日本語 役割語の謎』岩波書店

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